大人気子育てコミックエッセイ作家・たちばなかおるの最新作「そもそもウチには芝生がない」は、泣いて笑ってしまうアラフォー女性の「あるある」感満載の人生劇場漫画です。
第1話では、作者本人を移植したようなキャラ・小野寺スミ(漫画家で、3人の男の子の母親、三男がダウン症、夫に浮気の影があるという設定)の日常が綴られています。
第1話 小野寺スミ(43)のネタバレ
育児に忙しすぎる漫画家主婦
漫画家の小野寺スミは43歳。加齢を感じる年齢だが、小4、小2、年中さんの3人の男の子の母親でもあり、忙しすぎる毎日を送っている。
白髪、プレ更年期・・・なんて言ってられない。
長男の一馬はひっきりなしに「学校で使うもの」を用意しろと言ってくるし、しかも落ちこぼれで生意気な反抗期。
次男の勇介はやたらと偏食で野菜はだめで、ジャンクフードばかり欲しがる。こちらも結構生意気。
三男の圭太は5歳で、ダウン症のため成長がゆっくり。まだトイレトレーニング中で、言葉もうまく話せない。
「ママぁ、チー」
と言われ、トイレことかと思いきや「チーズが食べたい」様子を見せたのでチーズを与える。が、やはりおもらしをしてしまう。
浮気の影がある夫
家庭内はもはや戦場で、猫の手も借りたいほどだったが、ほかに頼れる人はいない。
旦那はデザイン事務所を経営しており、仕事は忙しく週4日はオフィスに寝泊まりしている。
自宅にいない夫をあてにはできず、家のことな何もかもスミ任せだった。
しかも、夫はどうも浮気をしている様子がある。
同窓会へのお誘い
スミには友達がいた。
同級生だったマキと恵子とは、今でも友達だ。
忙しいながらも、スマホにSNS経由でメッセージがくるので合間にチェックしている。
同窓会のお誘いの知らせが届いたが、
『仕事もあるし、子供はあずけられないし、ダンナは浮気してるっぽいし』
忙しくて、他人の幸せ自慢を聞きに行く気になんてなりゃしない、と断りの返事をいれた。
するとマキと恵子からレスがついて、
『ダンナもスミにおけませんなー』
などと書いており、「どいつもこいつも腹立つ!」とご立腹。
第1話の感想
一応、架空のキャラということになっている小野寺スミさんですが、これってまんま、たちばなかおる先生のことですよね!?
たちばなかおる先生の実話コミックエッセイ「ユンタのゆっくり成長記 ダウン症児を育てています。」という別作品もありますが、スミさんの生活そのものです。
肝っ玉母さんみたいなキャラで、なまじ仕事もなんでもガツガツこなせるがゆえに家のすべての負担を背負わされる・・・というアラフォー主婦の悲哀を感じます。
アラフォーになると、体力がすごく落ちますよね・・・読んでいて「うん、そうそう」と老いを感じてしまう瞬間や、20代のころには大丈夫だったことが翌日疲労でいっぱいになってしまったり、といったことを思い出してしまいました。
ただでさえ体力の衰えを感じるのに、仕事しながら元気いっぱいの3人の男の子のお母さんになる、というのはどんだけハードモードなのか。
スミさんがどうやって乗り越えていくのか、楽しく読ませてもらっています。つづく。
第2話の感想